自社のビジネスを推進させるにあたって、目標設定が重要であることは言うまでもありません。
コーポレートサイトも同様に、何か狙いを持って制作する以上、最終的なゴールとそれを達成するための中間目標を設定すべきです。
この記事では、コーポレートサイトのKPI(重要業績評価指標)の設定する必要性や設定すべき内容について解説していきます。
コーポレートサイトにおけるKPI設定とは?
そもそも、コーポレートサイトにおけるKPI設定とは一体何なのでしょうか?
それを考えるにあたって、自社がコーポレートサイトを制作して何を達成したいのかをイメージしてみてください。
おそらく、一番に考えられるのはできるだけ多く、売上や成約に結びつけることでしょう。その他にも人材の採用率を高めたいだったり、企業の認知度を高めたいであったり、様々挙げられます。
もっと具体的に挙げると、1年後に5倍の売上にしたい、1年後には今よりも1.5倍くらいの人材がほしいなど、期間をどれだけ上げたいのかを数値で設定します。
KPIは、この目標に対して逆算しながら期間ごとに細かく刻んでいき、達成しなければいけない小さな目標のことを指します。
漠然とした目標をより現実的なものにするために、プロセスや達成度合いを明確に設定してください。
コーポレートサイトにおけるKPI設定の必要性
では、一体なぜコーポレートサイトにおけるKPI設定がそれほどまでに重要なのでしょうか?KPI設定の必要性について以下3つの観点から解説します。
- ゴールから逆算したサイト運用ができる
- 具体的な施策を順序立てて立案できる
- PDCAを回しやすくなる
ゴールから逆算したサイト運用ができる
まず、ゴールから逆算したサイト運用ができるようになります。
前述したように、KPIは具体的な中間目標を設定するため、その目標を達成するために何をすべきかイメージができたうえで運用を進められます。
例えば、1年後に10倍の売上を達成したいという目標を設定した場合。そこから逆算して今から1ヶ月後、3ヶ月後、半年後…といったように、サブ的な目標設定を行うことでよりゴールが現実味を帯びたものとなります。
達成できるかどうか分からない状況から逆算して物事を考えることによって、日に日に目標へ向かって成長しながら運用を進めていけます。
具体的な施策を順序立てて立案できる
そして、KPI設定で目標に対する現在地点を把握できるため、それに伴って具体的な施策を打ち出すことにも繋がります。
例えば、コーポレートサイトの目標を「お問い合わせ件数アップ」と定めた場合。KPIを以下のように設定したと仮定しましょう。
- 商品・サービス紹介ページのPV数◯%アップ
- 商品・サービス紹介ページの平均滞在時間を◯分に伸ばす
- お問い合わせページへのクリック率◯%まで伸ばす
上記のようなKPIを設定した場合、現状のサイト状況を分析していくと目標と現実との隔たりを確認できます。
KPIに設定した平均滞在時間は3分であるのに対し、現状は1分程度しかないなど。こうした状況が明確になったときに、コンテンツを充実させようなどといったやるべき具体的な施策が考案できるはずです。
このように、見えてこなかった具体的な施策が浮かび上がってくるのもKPI設定の効果と言えます。
PDCAを回しやすくなる
さらに、KPI設定をすれば実行サイクルが高速で回しやすくなります。
一般的に使われる手法として、PDCAがあります。
- P:Plan(計画)
- D:Do(実行)
- C:Check(評価)
- A:Action(改善)
PDCAは上記を繰り返し行い徐々に成果に繋げていく手法ですが、KPIを設定しなければこのPlanが定まりません。
よって、施策を成功させるために必要な実行や評価、改善ができず、中々成果も表れないでしょう。
またKPI設定をすることで、目標に対する現状の評価もしやすくなり、改善策を立てやすくなる効果もあります。
コーポレートサイトのKPI設定をする前にKGI(ゴール)を設定しよう
これまでKPI設定をすべきとその重要性についてお伝えしてきましたが、まず設定すべきは最終的な目標、つまりゴールです。
ゴールがないのにいきなり中間目標は設定できません。そこで設定すべきはKGI(重要目標達成指標)です。
自社ではコーポレートサイトを通じて最終的にどんな状態をイメージしているのか、ここが明確でなければ運用する指標がないため、施策も中途半端になりますし、途中で方向性もブレが生じるでしょう。
売上や認知度拡大など、まずは具体的な最終的な目標、KGIを設定して方向性を定めてください。
コーポレートサイトにおけるKPI設定の代表例7つ
それでは、コーポレートサイトにおいて具体的にどんなKPI設定ができるのか、その代表例として以下の7つを紹介します。
- アクセス数
- ユーザーのページビュー数(PV)
- 各ページのセッション数
- コーポレートサイト全体の離脱率
- CV数・CV率
- お問い合わせへの遷移率
- コンテンツの配信数
1.アクセス数
まず、目標として設定できるのはアクセス数です。
アクセス数はユニークユーザー数(UU)とも呼ばれており、1週間や1ヶ月など一定期間内にページを閲覧したユーザー数を指します。
アクセス数はページに訪れた人の数をカウントするため、1人のユーザーがA・B・Cと複数のページを閲覧したとしても、1となります。
なお、同じユーザーが期間内に何度訪れても変わらず1UUとしてカウントされます。
2.ユーザーのページビュー数(PV)
ページビュー(PV)数は、ユーザーがアクセスしてから離脱するまでに閲覧したページの総数がカウントされます。
例えば、AというページからBのページに移動し、再びAのページの戻った場合は3PVとなります。
平均ページビュー数も指標の一つで、ユーザー一人あたりどれくらいページを閲覧しているのかが分かります。
- ユーザー1:10PV
- ユーザー2:5PV
- ユーザー3:3PV
上記の場合、平均ページビュー数は18÷3で6PVとなります。
なお、ページビュー数と類似するものに以降で紹介するセッション数がありますが、こちらと混同しないように注意してください。
3.各ページのセッション数
セッション数は、ユーザーが一定期間内にサイトへアクセスしてから離脱に至るまでの回数、訪問回数を指します。セッション数からは何回訪れたかが分かるため、リピート状況を見る一つの指標にもなります。
なお、離脱の定義は以下の3つ。
- 30分以上未操作
- 午前0時で日跨ぎ
- 別サイトから再度アクセス
上記に示した状況のいずれかに該当した場合、離脱したと判断され、再度訪問することで再びカウントが1つ追加されます。
よって、1日の間に3度離脱の条件を満たし、アクセスした場合のセッション数は3です。
4.コーポレートサイト全体の離脱率
離脱率は、サイトページ全体のページビュー数に対する離脱した割合を指します。
例えば、ページビュー数が100あるのに対し、20回の離脱が起こった場合。
20/100×100%=20%という計算ができ、20%の離脱率であることが分かります。離脱率が低ければ低いほど、サイトの構造が分かりやすく、ユーザーが回遊しやすい状態かつコンテンツが充実していると言えます。
5.CV数・CV率
成約・コンバージョンを示すCV数・CV率は、売上に直結する重要な指標です。
まずCV数は、サイト訪問者が商品購入やサービス登録、資料請求、お問い合わせといった消費者行動を取った数のことを指します。どの行動を対象とするかは、企業側で設定します。
CV率とは、お問い合わせのフォームや購入ボタンのクリックした回数のうち、実際に成約した回数の割合を指します。
例えば、100回クリックされた中で10回の成約があった場合。CV率は10%となります。
6.お問い合わせへの遷移率
お問い合わせへの遷移率も重要なKPI指標の一つです。
お問い合わせへの遷移率は、遷移前の特定ページにおけるページビュー数と指定ページへ遷移後のPV数から割合を算出できます。
遷移率が高い場合、遷移前のページは充実しており、そこからお問い合わせしたいとユーザーに思ってもらえている証拠です。一方、遷移率が思ったより低い場合、前のコンテンツが充実していない可能性があります。
なお、大手のECサイトにおける遷移率は約40〜50%とされています。
7.コンテンツの配信数
コンテンツの配信数も、KPIの指標として良いでしょう。
1週間や1ヶ月に何本の記事コンテンツを投下するのか、その本数を目標として設定します。配信数は自分たちで投稿すれば良いため、比較的達成しやすい目標です。
しかし、あくまでも目的は認知度拡大ですので、質を担保したコンテンツを目標数配信できるようにしていきましょう。
まとめ
コーポレートサイトの制作目的として、企業の存在価値を示したい・拡大したい、ブランディングしたいなど、具体的な数値では表現しづらいケースが多いです。
しかし、そこで具体的な数値を踏まえたゴールの設定を行い、さらに中間目標としてKPIを設定できれば、明確な方向性のもと運用ができます。明確な目標設定をしなければ、実現したい目的も達成できる可能性が低くなるため、KGIとKPIの設定は徹底しましょう。
なお、株式会社DopeZineでは、企業様のWebサイト制作を行っています。KPI設定も含めたブランディング設計をヒアリングのもとに細かく行っていき、目的を達成するためのサポートをいたします。
これからコーポレートサイトで達成したいビジョン・目的を持っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。